こんにちは、放射線技師の「あき」です。
今回は「放射線技師の将来性はどうなのか」というテーマです。
結論からいうと、放射線技師の将来性は良いです。
現役の放射線技師である僕がそう思う理由について、この記事で詳しくお話ししていきますね。
診療放射線技師(30代男性・1児の父)大阪大学卒。総合病院→他職種→企業内健診→健診クリニック。当サイトで現役技師や学生向けのコンテンツを発信。
放射線技師の将来性に期待できる理由
放射線技師という職業を選ぶことは、将来的にも良い選択であるといえます。
僕がそう思うその理由は、以下の3つです。
- 放射線技師の仕事はなくならない
- 将来的に仕事が楽になる見通ししかない
- 柔軟に人生計画を変更できる
これらについては、僕自身のこれまでの経験から強く感じていることです。それぞれについて詳しくお伝えしていきます。
理由① 放射線技師の仕事はなくならない
まず、将来的に放射線技師という仕事がなくならないという確信があるため、その時点で放射線技師の将来性は安泰であると考えています。
「人に放射線を照射する」という仕事は、放射線技師だけでなく医師も行うことができます。医師は放射線技師の上位互換ですので、法律的には医師が放射線技師の仕事を奪うことが可能です。
ただ、すべての検査をわざわざ医師に担当させていては、人件費も人材のリソースも無駄ですよね。法律的には可能でも、結局のところはいま放射線技師が担当している仕事を医師に奪われるという未来はないでしょう。
放射線技師は画像のスペシャリストとしての立場でもあるので、画像関連については医師より勝っていたいものです。(話がそれましたが・・・)
医師とは別に、放射線技師の仕事を奪うかもしれない存在として「AI」がありますね。
AIに仕事を奪われてしまうんじゃないか、と気になりますよね。
最近になって技術が急速に進歩していて、さまざまな職種がAIに仕事を奪われるのではないかと危惧されています。
ただ、僕の見解としては「放射線技師の仕事をAIが完全に奪うことはできない」という意見です。あくまで、AIは放射線技師をサポートする存在として医療現場で活躍することになるでしょう。
放射線技師とAIとの関係性については、こちらの記事で詳しくお話ししています。併せてご覧ください。
これまでお話ししたように、医師にもAIにも放射線技師の仕事を奪われてしまうことは将来的にもないと考えられます。
世間には、その職種そのものがなくなってしまうかもしれないと危惧されている職業も多いなか、「なくなることはないだろう」という予想が立てられる時点で、放射線技師の将来性は良いと言えます。
理由② 将来的に仕事が楽になる見通ししかない
将来的に「放射線技師の仕事内容は今後どんどん楽になっていくだろう」という僕は感じており、この点においても放射線技師という仕事を選ぶことは将来的にも良い選択であると言えそうです。
そもそも放射線技師の仕事はすでに昔に比べるとかなり楽になっていると言えます。
例を挙げると、今のようなデジタル技術が確立されていない時代では、フィルムでレントゲン撮影をしていました。このフィルムで綺麗に撮影するためには、X線の「管電圧」「管電流」などを条件を適切に調整する必要がありました。
いわば「職人技」ですね。
そして、撮影後に現像にかけてやっと画像を確認できるという流れで、もし撮影条件や患者さんのポジショニングが悪ければまた患者さんを呼び込んで再撮影・・・という大変な業務だったわけです。
それが今では、FPD(フラットパネル)が開発されたことにより、
- 画像の濃度をオートで適切に調節してくれる
- その場で瞬時に画像を確認できる
という「至れり尽くせり」と言えるような環境が整っています。
まったく経験のない新人が、大ベテランの放射線技師と同じような画像を撮れる今の時代は、すでに放射線技師の仕事が楽になっている状態だと言えますよね。
今後はますます技術が進歩し、AIの発達も相まって、放射線技師の将来の技術面については「誰がやっても同じ」という状況になり、技師の技術面は平均化されていくと予想できます。
これからは技師の「人格」でライバルと差をつける時代になるのではないでしょうか。
このように、技術の進歩に伴って業務の難易度が下がるだろうと予測できるため、放射線技師という仕事を選ぶことは将来的に "オイシイ" と言えるでしょう。
理由③ 柔軟に人生計画を変更できる
放射線技師は転職しやすい職種であるため、長い人生において柔軟な人生計画を立てたり、途中でライフスタイルを変更しやすいのがメリットと言えます。
例えば、
- 独身でいいと思っていたけど、結婚・出産して子育てに専念することにした
- 海外に留学したくなった
- 地方(もしくは都会)に移住したくなった
など、さまざまなキッカケで人生計画を大きく変更したくなるタイミングが訪れます。
そして、たいていの場合、人生計画を変更するときには仕事を一時的に辞めることになります。
そんな予定の変更にも対応しやすいのが、放射線技師の良いところです。(医療職全般に言えることでもありますが)
放射線技師が転職しやすい理由として、経験やスキルが分かりやすいということが挙げられます。「どのモダリティを何年くらい担当していたか」を伝えるだけでだいたいのスキルが予想できるため、転職においても医療機関側が安心して採用できるのです。
実際、僕自身も子どもが産まれたことをキッカケに仕事を辞めて、子育てに専念していた時期があります。そして、子供が保育園に入ってから非常勤として復帰し、さらに常勤へと転職をかさねて今に至ります。
男性でこのスタイルを取るのは珍しいかもしれませんが。
放射線技師は常勤・非常勤ともに求人がたくさん出ているため、自分の都合に合わせて柔軟に転職できます。
結婚するつもりもないし、ずっと同じ職場で働くつもりです。
というような方でも、数年後には考え方が変わっていて「やっぱり転職したい」と感じているかもしれません。
きっと数年前のあなたと今のあなたの思考は違いますよね?
ということは、今のあなたと数年後のあなたも考え方が大きく異なっている可能性が高いということです。
このように人生の計画・ライフスタイルを変更したくなったときにも柔軟に対応できるという観点からも、放射線技師という仕事を選ぶことは将来的にも安泰であると言えます。
まとめ:放射線技師の将来性を心配する必要はない
これまでお話ししてきたように、
- 放射線技師の仕事がなくなることはない
- 将来的に仕事が楽になる見通しである
- 柔軟に人生計画を変更できる
ということを踏まえると、放射線技師という仕事を選ぶことは将来の自分にとっても良い選択だと言えます。
僕自身、行き当たりばったりで人生を歩んできましたが、転職しやすい放射線技師で良かったと心底おもっています。
技術の進歩が目覚ましく、変化が激しい現代において、「放射線技師に魅力を感じるけど、将来性は大丈夫だろうか」と心配に思う気持ちはとても理解できます。
ただ、国家資格である放射線技師という仕事はなくなりませんし、さまざまな側面から考えても "興味があるならやるべき職種" だと思いますよ!