物理を取ってない人も放射線技師として働けるから大丈夫

physics 国試対策

こんにちは、放射線技師の「あき」です。

今回は「高校で物理を取ってない人でも放射線技師になれるのか」というテーマです。

この記事の想定読者さん
  • 高校で物理を取ってなくて国家試験が不安な学生さん
  • 物理と生物、どちらを専攻するか悩んでいる学生さん

物理と生物で悩んだ結果、物理への苦手意識から生物を選んだものの、放射線技師になれるのかどうか不安という方も多いのではないでしょうか?

結論から言うと、記事タイトルにもあるように、高校で物理を専攻していなくても問題なく放射線技師になれます!

この記事では

  • どうして物理を取ってないと不利に感じるのか
  • 物理を取ってない人はどうするべきか

についてお伝えしていきますね。

あき プロフィールアイコン1_300px
あき

診療放射線技師(30代男性・1児の父)大阪大学卒。総合病院→他職種→企業内健診→健診クリニック。当サイトで現役技師や学生向けのコンテンツを発信。

(ちなみに、僕は高校で物理を取っていましたが、物理を取ってなかった友達も多かったですよ)

僕のスタンスとしては、「物理を理解していなくても放射線技師として無難に働けるけど、ちゃんと知っておいた方がいいですよ」という感じです。

物理を取ってない人が放射線技師を目指すときの不安

物理を取ってない不安な学生のイラスト

高校で物理を取ってない人が放射線技師を目指す場合、

放射線は物理で扱うものだから、物理を取ってない人には難しいんじゃないか・・・

と不安になる方が多いようです。

確かに、その不安はごもっともなんですが。

ただ、すでに理科の専攻内容が物理以外で決まっているのなら、そのままで問題ないですし、特に心配する必要もないです。

なぜかと言うと、高校の「物理」と大学での「放射線物理」はかなり内容が違っているから。

そのため、国家試験の放射線物理の問題は、高校の物理の知識がなくてもそれなりに点数を稼げるのです。

高校の物理を踏まえていないと分からない放射線物理の内容もある程度ありますが、ただの暗記だけで解けるような問題が多いのも事実です。

放射線物理の暗記問題は簡単

そもそも、放射線技師を養成する大学・専門学校の入試要項に「物理は必須」という条件がないのは、「物理を取ってない人でも放射線技師になれますよ」というメッセージであるとも受け取れますし。

もし、今あなたが高校生で理科の専攻内容を悩んでいる状況なのだとしたら、とりあえず物理を専攻しておくことをオススメします。

(生物は割と暗記でイケますが、物理は基本ルールの理解が必要で、学習に時間がかかると個人的に感じているからです)

結局のところ、国家試験に受かれば(&内定をもらえば)放射線技師になれるので、仮に物理でぜんぜん点数を取れなくても他でカバーできれば問題ありません。

物理を取ってなかった放射線技師は多い

たくさんの放射線技師のイラスト

先ほどは「物理が分からなくても国家試験に受かれば放射線技師になれる」という内容をお伝えしました。

ただ、ここまで読んでくださった方には

放射線技師になったとしても、物理が分からないと現場で苦労するんじゃないの・・・?

という不安を抱いている方もいらっしゃるでしょう。

ですが、その心配も不要です。

実際に、高校で物理を取ってなかった放射線技師の方は多く、問題なく医療現場で働いていらっしゃいます。

(僕の友人で「生物&化学」の専攻だった人がいますが、「物理はワケわからん」と言いながら就職した人もいます)

放射線技師の医療現場での仕事内容としては、

  • 患者さんとどう接するか
  • 良い画像を得るために、どうポジショニングするか
  • 診断に有用な画像処理を適切に行えるか

など、どちらかと言うと「接客スキル」「解剖の知識」「PCを扱えるか」という側面の方が重要だと感じています。

「物理」「放射線物理」の内容は、もちろん知識として身に付けているべきではあります。ですが

  • 「撮影条件」はほとんどオート設定で無難に撮影できる
  • 開発するわけじゃないから「撮影機器の仕組み」は知らなくても問題ない

というのが現状で、医療現場において物理的な要素を意識しないといけない場面は少ないです。

物理の知識がなくても医療現場で働ける

あくまで、放射線技師として医療現場に出るときに「物理」を理解してなくても無難には働けるから、物理を取ってないという理由だけで放射線技師を諦めるのは勿体ないということが言いたいです。

(物理を勉強しなくていいよ、と言いたいわけじゃないです)

物理を取ってない人はどうするべきか

物理を取ってない人の画像イラスト

ここまで、「物理を取ってなくても放射線技師として無難に働ける」という内容をお伝えしてきました。

では、実際に高校で物理を専攻していなかった人はどうするべきなのか、という内容について、僕なりの意見をお伝えします。

僕が提案する方法は、次の2パターンです↓

高校で物理を専攻していなかった人の選択肢

パターン1の方法は、とりあえず放射線技師になれたら何でもいいという方向け。

パターン2の方法は、ちゃんと「物理」についても勉強したいという方向けになります。

1 物理の知識が必要な問題を捨てる

放射線技師の国家試験において、放射線物理の問題には意外と暗記で解けるものもあるため、高校で物理を取ってないからと言って「放射線物理=0点」ということにはならないと思います。

高校の物理を取ってなくても解ける放射線物理の問題の図解

ただ、一部の問題は高校の物理を理解していないと解くのが難しいものがあります。

あと、放射線物理の分野として出題されるとは限りませんが、MRIの理論に関する問題でも、物理の知識が必要になることがあります。

ですが実際のところ、物理の知識が絡む問題は高校で物理を専攻していた人にとっても難易度の高い問題になります。

なので、高校で物理を取っていたからと言って全員が正解できるわけでもないのが現状です。

ですので、「当たればラッキー」くらいのつもりで時間をかけずに適当に解答を選んでしまうのも試験のテクニックとしてはアリです。

2 『「高校の物理」が一冊でまるごとわかる』を読む

物理の問題をある程度捨てても国家試験に受かることはできますが、やはり放射線技師を目指す以上は「物理」について知っておくに越したことはありません。

物理の知識がないために、放射線技師としてのスキルアップなどの選択肢が狭まってしまう可能性はありますので・・・

(特にMRI放射線治療に携わる場合は、物理の知識が特に求められると感じています)

そこで、高校で物理を専攻していない人に向けて僕がオススメしたいのが、こちらの書籍です↓

高校の物理が一冊でまるごとわかる_の書籍

『「高校の物理」が一冊でまるごとわかる』

この本、素晴らしいんです。本当に一冊だけで物理の全体的なイメージを掴ませてくれますし、ちゃっかり放射線物理についても解説してくれています。

(他の科目についても、同じシリーズの書籍がありますよ)

正直なところ、この一冊を読むだけで、「高校で物理を専攻していたけど、難しくてあまり理解できなかった」という人よりは上にイケます。(嘘じゃないです)

何なら、高校で物理を専攻する人にも、

堅苦しい物理の教科書を読むくらいなら、こっちを読んだほうがいいんじゃない?

って伝えたいくらいです。

僕は放射線技師になってから、たまたまこの書籍を読んだのですが、「あ、そういうことだったのか」と気付くことができた内容が多々ありました。

(高校時代、結構まじめに物理の勉強していたつもりなのに、ぜんぜん理解できてなかったということですね笑)

別に僕はこの書籍をセールスするための回し者ではないのですが、本当にオススメなので紹介させてもらいました。

物理取ってないけど、放射線技師として自信を持って働きたい

と感じている方は、ぜひ読んでみてください。(図書館とかにも、置いてあるかもしれません)

まとめ:物理を取ってなくても放射線技師になれる

物理を取ってなくても放射線技師になれるから喜んでいる学生たち

この記事でお伝えしてきたように、物理を取ってなくても放射線技師になって問題なく働くことはできます。

なので、高校で物理を取ってないからという理由だけで不安になって、放射線技師を目指すことを諦める必要はありませんよ。

ただ、やはり放射線という物理的な現象を扱う専門職になる以上は、物理の知識を身に付けているに越したことはありません。

物理について、ザックリ全体像をみて、ぼんやり理解しておいたほうが自分のためになります。

そのザックリの全体像を掴むのに、先ほどご紹介した『「高校の物理」が一冊でまるごとわかる』という書籍がかなりオススメです。

AmazonでもKindleでも図書館でもいいので、ぜひ手に取ってみてほしいです。

この記事が、少しでもあなたのお役に立てれば幸いです。それでは。